ブラジルのサルバドールにて、海外旅行中での大きなトラブルのひとつ、強盗被害にあってしまいました。
完全に私の不備でしたが、その自身の体験から注意点や対策などを記していきたいと思います。
・海外旅行に行く予定
・ブラジルに旅行へ行く
・トラブル事例が知りたい
はじめに
今では海外旅行なんて国内旅行をする感覚で飛行機に乗れば、あっという間にそこは異国の地です。
しかし文化や生活の違いは様々で、私たち日本人の感覚とは全く違う世界があることも現実です。
以前の私はトラブル対策に甘くて、いかさま賭博詐欺というものにあい150万円ほどの旅資金を数日で失い、初めての世界一周を途中で強制終了するという経験もしました。
しかしながら事前に何かしら情報を得ていればトラブルを防いだり、もしトラブルが起きても対応の仕方も変わってくると思います。
ぜひこの記事も参考のひとつにしていただければと思います。
海外旅行での強盗対策
- 事前に渡航先でのトラブル事例をチェックする。
- お金やパスポートのコピー、保険などの緊急連絡先は複数に分けて保管。
- パスポートは身に付けておくか、場所によってはホテルのセーフティボックス等を利用する。
- 治安の良くない地域では、人通りの少ない場所は極力歩かない。
- 現地の人(宿のスタッフ)に周囲に危険な場所などがあるか聞く。
- バッグは前にかける
色々なケースがあり一概には言えませんが、ある程度は自己防衛できると思います。
地域によっては、白昼堂々と強盗被害にあったり、首絞め強盗、睡眠薬強盗などもあります。
繰り返し言いますが、事前に治安情報をチェックすることがトラブルを防ぐ手立てになります。
もしも強盗にあったら
- 1 相手の要求するものを、素直に渡すのが無難です。
- 2 盗まれた後に、犯人を追いかけるのはやめましょう。
- 3 海外保険に入っていれば、最寄りの警察署に盗難届を出しに行きましょう。
(事前に何を盗られたか英語でリストを作っていくと手続きがスムーズです) - 4 しばらくは気分が塞ぐと思いますが、命があればまた旅行は出来ます! 少しずつ元気を出していきましょう。
(私は数日間、自分の愚かさに落ち込んでいましたが、今は元気です!)
なかには盗まれた後に追いかける、拳銃を突き付けられても要求を拒むとかの話もありますが、その行動は最悪の場合には命を落とします。
ぜひ「いのちだいじに」で行動をしましょう。
【体験談】海外で路上強盗に遭う
それは世界最大規模の滝があるブラジルのイグアスから東海岸のサルバドールまで50時間のバス旅を終え、宿に向かう途中で起きます。
バスターミナルに着いた時間は20:00くらいで、本当は昼着の便が良かったのですが、イグアスからのバスはこの時間に着く便しかありませんでした。
事前のチェックで得た情報はサルバドールは相当治安が悪く、夜は出歩けない、安全なのは警官が多く配置されている旧市街のみです。
ブラジルの国技カポエラを発祥の地で習いたい!そんな考えで訪れた街で、宿も普段使わない日本人宿と呼ばれる日本人が多く集まるところにしようと、いつもと違うことを選んでいました。
しかも予約サイトなども無くメールのみのやりとりしかなく、バス移動中は通信手段が無かったので、直接その宿の場所に行くことにしました。ブラジルをなめてました。
インターネットで見つけた宿の地図には、宿の位置と2つの道路(海沿いの道路とハイウェイみたいな道路)に、バス停がそれぞれ1個づつ記入してあります。
時間も遅くなっていたのでタクシーで旧市街の宿までいこうと思い、タクシーの運転手に声をかけます。
しかし事前に調べていた金額よりもはるかに高い値段を提示され、断りました。
(バスターミナル内には配車カウンターもあったと思います)
目の前の近郊バスの発着場には頻繁にバスが来ており、旧市街に近いバス停の名前とバスナンバーは調べて知っていたので、ふとバスで行こう!そう思って勢いで乗り込んでしまいました。
バスの運転手に降りるバス停の場所を告げるとなんとか伝わったようで、乗客も普通のおばちゃんや若いお兄ちゃんなどでバス内は平和でした。
しばらくすると優しい運転手が合図をしてくれてそこで降ります。
ですが、私はここで大きな勘違いをしていました。 自分は海沿いの道路にいると思っていたのですが、実際の場所はハイウェイの道路でした。
その時は違うバス停で降りてしまったのか?と考えたり、周りを見渡しても持っている地図を見ても、どこにいるのか判断できません。
とりあえず留まるのはまずいと思い、歩いていくとホットドッグ屋みたいな店があり、受け渡し口からハローと声をかけ、持っていたiPodtouchの画面上の地図を見せます。
ここどこ?って聞いても英語も通じず相手にされず、さすがにこれはヤバいと思ってきました。
そこで来た道の反対方向のバスに乗ってバスターミナルに戻るしかないかと思っていたところ、目の前に別方向に行くバス停があります。
そこで待っていたおじちゃんにここどこ?と同じ質問をして、ここに行きたい!と旧市街の地図を指すと「ここからバスに乗るといい」と言われました。
勝手に決めていた危険ラインの21:00が迫っていたので、言われるがままバスに乗りこみます。
バスの運転手に同じ画面を見せ旧市街!?みたいな感じで伝えて、不安な気持ちでしばらくバスに乗っていると、どこかのバスターミナルみたいなところに入り今度は来た道を戻って行きました。
不安になり再び運転手に声をかけると「大丈夫!」みたいな感じで言われます。
しばらくすると運転手と別のお兄ちゃんから「ここだよ!」と言われ、降りたら真っすぐ歩いて行って!とジェスチャーされました。
バスを降りるとバスを待っている数人のおばちゃん達もいたので、まだギリギリ外を歩ける時間なのかな?と少し安堵したつかの間、20代くらいの若い男性Aに「どこ行くの?ホテル?」と絡まれます。
私が「No thank you」と断っているのに20メートルくらい着いてきて、横断歩道を渡って玄関横に怪しい赤いランプがある建物の前で、また何か言ってきます。
「ここホテル!教えたんだから金くれ!」と言ってるようでしたが、そこも「No thank you」で押し切ると、若い男性Aはどこかへ行ってしまいました。
しかし自分がどこにいるのか全く分からない状況に変わりはありません。
バスの運転手には直進した先が旧市街だと言われましたが、渡った道路の右手を見ると坂になっており、そこにライトアップされた教会が見えました。
教会に行けば自分の位置がわかるかもしれない!という安易な気持ちで数十メートルほど坂を上っていきます。
ほぼ坂の上という所の左手側にゴミ捨て場みたいなところがあり、そこにはひとりの中年男性Bがゴミをあさっていました。絶対に顔を合わせたらいけない雰囲気。
そこを過ぎると交差点があり渡った先が教会です。
とりあえず交差点にあるストリート名が記入された表示板を見ていると、背の高い若い男性Cが通りかかったので不用心にもiPodを見せて「ここどこ?」と聞いてしまいました。
素っ気ない対応だったので、もう坂の下へ戻ろう、と数メートル戻った瞬間でした。
今さっき声をかけた若い男Cが私の背後左側から通り過ぎると急に私の視界に入ります。
男Cの振りかぶった手にはこぶし大ほどの石の様なもの持っていて、今にもそれで私を叩きつけるポーズで威嚇してきました。
ほぼ同じ瞬間に男Bが突然たすき掛けしていた私のショルダーバッグを無理矢理引っ張ってきます。
その力は凄まじくて、閉じていたバッグのファスナーがぶっ壊れて開いてしまうくらいでした。
この時点では私は割と落ち着いていて、「OK OK」と言い、たすき掛けしていたバッグを男たちに手渡しました。
なぜか自分でもよくわかりませんが、ポケットに入れていた小銭入れも進んで渡します。
歩道を超えた数メートル先の交差点には車や路線バスが信号待ちしていて、男たちはその合間を抜けて歩いて行きました。
まるで嵐が過ぎ去った後にふと、これ以上追いはぎされたらまずい!と感じます。
来た坂道をスタコラサッサと早足で戻り、先ほどの赤いランプのあったホテルと言われた建物のブザーを鳴らしました。
鉄格子からスタッフが顔を覗いてくるので、泊まりたいことを伝えて中に入ってそれ以上の難は逃れます。
それからしばらくは、先ほどの男たちが宿まで再び襲ってくるではないか?と、恐怖感を覚えたほどの出来事になりました。
【後日談】直近で他の日本人も被害にあっていた
翌日になんとか旧市街までたどり着き目的の日本人宿に向かうと、今は宿をやってませんと言われました(予約のメールも返信は無かった)。
しかたなく旧市街入口に近いホステルにたどり着き、チェックイン後に盗難証明書が欲しかったので事の顛末を説明して警察署の場所を聞くと、オーナーらしき人がある話をしてくれました。
「数週間前にも日本人が強盗にあい全ての荷物をとられてしまって、日本に帰る手伝いをしたんだ」と。
私の場合は色々な選択ミスもありましたが、それ以上の良い偶然が重なり、そのまま旅を続けることが出来ました。
最悪のケースに至らなかった要因
- 安全な宿の場所を事件が起こる前に教えてくれた人がいた。
- カメラやパソコンが入っていたサブバッグだけを盗まれた。
- イランの宿で一緒だった青年が便利なオフライン地図のアプリを教えてくれてそれを使っていた。
- インドの宿で一緒だった男性がパスポートはいつも肌身離さず持っていると言っていたのでそれを真似て心がけていた。
- 予備で持っていたお金の中に現地のお金が数千円分あった。
- バックパックにiPodの予備のケーブルが入っていた。
- サブバックにいつも入ってたサブカメラをたまたま服のポケットに入れていた。 (その後のモチベーション回復にも役に立った)
さいごに
海外旅行では日本とは違う危機管理が必要になってきます。
それを承知の上で防げることは自己防衛して、どうか素敵な旅の時間をお過ごしください。
最後までお読みくださいまして、ありがとうございます。