オーストラリアの田舎町で起きた事件です。銃社会ではなくて本当に良かったと思いました。
ではいったい何があったのでしょうか。それを体験談含めて記事にしました。
・オーストラリアに長期滞在する
【体験談】家が襲撃される! 何者かが侵入してきた!
ワーキングホリデーでオーストラリアの西海岸最大都市パースに滞在して、 語学学校に4か月通ったあとで東海岸の都市ブリスベン郊外にある、 ガットン(Gatton)という小さな町に住んでいました。
運よくファームジョブを手にしてから1カ月半が過ぎて、その時は韓国人の青年と2組のカップルと私の6人でシェアハウスをしていました。
英語を喋れるようになる!
という信念を持ってオーストラリアまで来たので、日本人がいない環境は私にとって都合よく、シェアメンバーも親切であり楽しい日々を送ります。
実際にこの家をオーナーから借りているのはコントラクターと呼ばれる、 農場主から仕事をもらって人を派遣する派遣業の社長であり、 この町にいくつもの家を借りて私たちに提供していました。
あるとき他の家に住む日本人の女の子から「空き部屋増えたしHiro(私)さんも、私たちのいる家に引っ越してくれば?」と言われます。
引っ越したい気持ちはとても強かったのですが、 英会話習得への信念や一緒に住む韓国人との生活も楽しく居心地も良くて、その件はなぁなぁになっていました。
そして、ある日の夜に事件は起きます。
大通りからは何本か離れた通りの3LDKの大きな家で、2階が住居で1階は庭と一体になっている造りの高床式住居が現場です。
夕食をとって20時過ぎでしょうか、いつもなら共用リビングルームにある大きなソファーに座って日記を書いたりして過ごすのですが、その日はたまたま個人の部屋にいました。
その玄関に鍵はかかっていません。
いつも21時前くらいに、翌日の仕事のシフト表を持ってくる人がいるからです(それだけ平和な町なんです)。
部屋にいると外から誰かが入ってきたのがわかりました。
明日のシフト表を持ってきたのかな? くらいに思っていました。
しかし複数の足音と騒ぎ声が聞こえてきて、何かを使い壁を叩いている音も聞こえます。
なにか起きてる!!
瞬時にそう思いました。
すぐさま部屋内にいたルームシェアをしている青年と入口のドアを抑えて、 侵入者が部屋に入ってくるのを塞ぎます。
さすがに警察に電話する余裕なんて無くドアを必死に抑えていると、私たちの部屋のドアを壊そうと激しく叩いているのが、振動を通じてわかります。
しばらくすると、ドアを無理に開けるのを諦めたようでした。
今度はリビングやキッチンのほうからガラスや物が壊れる音が聞こえてきます。
そして事の始まりから体感的に5分10分くらい経ったでしょうか。
廊下側から音が聞こえなくなり侵入者たちは去っていったと感じました。
抑えていたドアを開けて、恐る恐る部屋を出ます。
部屋を出て右手側を見て驚きました。
他のシェアメンバーの状況を確認する為、通路を進むと他の2つの部屋のドアには部屋の中が見渡せるほどの大きな穴も開いています。
薄い数枚の板を張り合わせただけの中が空洞のドアとはいえ、衝撃的でした。
リビングとキッチンのものは、ほとんど倒されたり割られたりの被害です。
しかし住んでいた全員に直接の被害がなかったのは、不幸中の幸いでした。
すぐさまコントラクターに電話をして状況を報告します。
後にコントラクターの男性や警察が来て状況を説明しました。
その時には犯人の見当などつくわけもなく、時間も遅いので襲撃された家で今夜は過ごして、明日に違う家に引っ越すなどをするという事になります。
ガラスなどの片付けられるものは清掃しました。
今度は戸締りをしっかりと行って、万が一の為にと台所からフライパンを持ってきて、寝床の手が届くところに設置します。
23時を過ぎたあたりにはだいぶ落ちついてきたので、荒らされたリビングのソファーにて日課である日記を書き始めました。
しばらくすると突然! 外から奇声のようなものが聞こえます!
先ほどの襲撃した奴らが再び戻ってきたのです!
女の子が即、警察に連絡します。
そして女の子2人を奥の部屋に行かせて、私を含めた残り4人の男どもは臨戦態勢で今回は挑みます。
私の居たソファーは窓際にあり、その窓が投げつけられた硬いもので割れました。
しかし怯むものは誰もおらず、あるものは棒を素振りして鼓舞し、あるものは手にグローブを装着して台所からナイフを取り出します。
さすがにそれはと他の仲間が制します。
兵役でも鍛えられた韓国の男たちが頼もしくありました。
私はというと自室へフライパンを取りに行きます。
キッチンには裏口もあり、そこも見張ったりこちらも抜かりはありません。
早く警察来てよ! とは思っていましたが、頼もしい仲間もいて恐怖心はありませんでした。
そして襲撃者たちは、玄関ポーチの階段を上がり玄関ドアの外側までやってきます。
ドンドン!ドンドン!!
彼らは室内に入ろうと、何かで激しくドアを叩いて壊そうとします!
もし玄関を突破されれば私のフライパンは役に立たないと判断して、 近くにあった重さ10キロくらいのダンベルに持ち替えて玄関の前で待ち構えていました。
そのときに頭の中を巡っていたのは、一発で仕留められるのか!? これって正当防衛になるのか? オーストラリアにもそういう法律あるよね?
そしてドアが壊され襲撃者と対峙したら、ただ一発お見舞いするしかない。
やられる前にやる! そう思っていました。
しかし襲撃者は玄関を突破するのを諦めたようで外は静かになります。
少し落ち着いた私は自室からカメラを持ちだしビデオ録画を始めました。
玄関は無理でも裏口から来るかも! と気にかけたりします。
すると割られた窓から、赤いランプを付けたパトカーが到着するのが見えました。
警官がライトを携えて家に向かってきます。
それに合わせて外へと出ていきました。 私は中にいる女の子たちが気になり部屋に戻ります。
映画とかでは、犯人に気を取られ女性がさらわれたりするものです。 しかし幸いにも心配は杞憂に終わります。
襲撃者たちはすでに逃げていたので、逮捕まで至りませんでした。
玄関のドアは頑丈な作りで穴が開かなかったのが救いでした。
再びコントラクターも来て、これ以上ここにいるのは危険と判断してコントラクターの住む家に移動します。
まさに嵐のような夜でした。
【後日談】襲撃者は逮捕された
翌日も普通に農場で仕事をして、夕方に警察署に行き事情聴取を受けました。
その時に日本語を話せる通訳がいないとのことでしたが、 自分の英語力を試したくて、直接やりとりをさせてもらいます。
襲撃した犯人は捕まえたと聞かされ、「出所後に彼らに報復されたりしない?」と質問すると、「彼らはドラッグを使用していた為に、犯行自体もほとんど覚えてないから大丈夫だよ」と言われました。
なんとか意思疎通が出来て聴取が終わったので、興味本位から「自分の英語どうだった?」と警察官に聞いてみると「intermediate」(中級)と言われました。
数年前にスイスの街角で職務質問をされて、チンプンカンプンだった時に比べれば努力が実ったのかもしれません。
心配事は消えて、日本人の可愛い子たちの住む家に心置きなく引っ越しできて、以前より歩合のいい仕事も手にして、結果的に私にとってはプラスな出来事になりました。
復讐が復讐を呼ぶ!襲撃された理由 対策と注意点
事の始まりは事件のあった日のお昼に、韓国人と仲の良かった日本人が他の街へ移動するので、送別会をしていたそうです。
家の前の道路にその日本人の車が停まっていて、その車のドアミラーをドラッグを服用した男たちに壊されたとのこと。
それを目撃していた日本人と韓国人の数人がその男たちを追いかけていくと、男たちは家の中に入って逃げたという事で、その家の前にあった車のドアミラーを同じように壊して仕返しをしてきたらしいです。
そして復讐が更なる復讐を呼んだのでした。
これがもし銃社会だったら命の危険もあったかもしれません。
そもそも相手が本気だったら、銃は無くとも大怪我をしていた可能性もあります。
私たちの場合は、ただただ運が良かったのだと思います。
- スリと同じように犯人を追いかけると、さらに被害に遭う可能性があります。
- 日本と同じ感覚で行動すると思わぬ被害につながることも。
- 警察の番号は国によって違いますので、前もって調べておきましょう。
- 特に夜は玄関の鍵も忘れずにかけましょう。
さいごに
ワーキングホリデーなど長期で外国に住んでいると、その日常に慣れてしまい気が緩むこともあるかもしれません。
そこが異国の地だということを忘れずに、平穏で楽しい生活を送ってほしいと思います。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。