アルメニアの首都エレバンにて、ハロウィンパーティー後に起きたトラブルです。
少し恐怖を味わった深夜の出来事でした。
巻き込まれ型のトラブルではありますが、いったい何が起きたのかを記事にしました。
・海外にてお店でお酒を飲む
・海外でお祭りやパーティーに行く
・クラブなどのハロウィンパーティーイベントに行く
【体験談】いつ家に侵入してくるのか⁉ 早く警察呼んでほしいな
イランから隣国のアルメニアに向かうバスで一緒だったイラン人青年と縁があり、首都エレバンに着いたあとで、彼の兄と妹が住む家に行くことになりました。
全く興味のない日本人宿に泊まろうかと思っていた矢先の新たな出会いで、見ず知らずの日本人を受け入れてくれた、イラン人の若者3人と10日間ほど行動を共にします。
(以下 青年の兄を「兄」 青年の妹を「妹」と称します)
2日目のその日はちょうど10月の月末で「今夜はハロウィンのイベントがあるので一緒に行こう!」と誘われ、妹がメイクアップアーティストということで、人生初のハロウィン風メイクアップをします。
皆がお洒落な服に着替える中で私の服装は、ミャンマーで購入した現地民の伝統的な黒い羽織とウインドブレーカーパンツでした。
そして私と3兄妹、その友人の女性の5名で市街地にあるクラブへと向かいます。
そのクラブは、パーティー的なノリの騒がしい場所ではなく、 赤と青い照明でわりと落ち着いた雰囲気で想像していたものとは違いました。
お酒を飲んだり、私のカメラで彼らを撮影したり楽しい時間を過ごします。
その日は何も起きなかったのです。 トラブルが起きたのは翌日でした。
兄は昨日のパーティーに満足しなかったようで、今夜は違うクラブに行こうと言い、その場所をネットでチェックしています。
私もまた楽しみだな~とその程度に思っていました。
そして2日目のハロウィンパーティーに向け、妹にキツネをモチーフにしたメイクアップをしてもらいます。
夜になり再び5人でクラブに向かうと、昨日とは打って変わり若者たちで溢れていて、仮装を楽しんでる人も多く見られました。
広さは学校の教室を少し大きくした感じで、100人弱は居たように思います。
ここでも楽しい時間を過ごしましたが、妹にちょっかいを出す男がいて、それに対して兄がちょっとキレるという事が起こります。
しばらくして青年からそろそろ外に出るよと言われます。
そしてクラブの外で新鮮な空気を味わっていると、再び兄が俺の妹に手を出すな!と数人の男たちと軽い言い争いになって不穏な空気が流れ始めました。
けれどもその場もなんとか収まってくれます。
私はその時点でもう帰りたかったのですが、兄がちょっと頭を冷やしたいようで、人通りがほとんどない深夜の街を5人ぶらぶら歩いていました。
そして青年が私に突然こう言いました。
「さっきから道路の向こう側にいる連中につけられている」と。
そう言われて4車線分の道路を挟みその方向に目をやると、数人の男たちが見えました。
最初は偶然じゃないの?と思っていましたが、確かにこちらが歩く方向へついてきます。
私がそれを認識してからしばらくすると、皆がこれはなんかヤバいと感じ始め、すぐにタクシーで家に帰ろうとなってくれました。
しかしこういう時に限ってタクシーがつかまりません。
私たちは交差点の角で4方向から捕まえようと試みます。
しかしながら歩いてきた方向も悪かったのか、道路の向かい側に怪しい男たちの黒い車があって、そこからこちらの様子を伺っているようでした。
その距離バス2台分くらいでしょうか。
そしてようやくタクシーが捕まって急いで乗り込み、動き始めると進む方向も良くなくて、止まっていた黒い車を追い越す形になります。
その際に万が一の為にナンバープレートを見ましたが覚えきれませんでした。
そして男たちがその車に乗り込むのが見えました。
本当に追ってくるのか!? と少し恐怖を感じます。
その時から信号のタイミングでうまく撒けないかなと思っていましたが、事はそうもいかず、あと数分で家に着くという所で逆にこちらが信号に引っかかり、追ってくる車との距離が縮んでしまいます。
イラン人の兄妹が住んでいたのは道路沿いにあるマンションの一室です。
タクシーがその近くに到着すると黒い車が追い越していきました。
しかしその束の間、黒い車が数十メートル先前方に停車します。
緊張が走ります。
家にまでついてこられたら終わる。
皆がそう思ったはずです。
お金を払って「急げ急げ!」と駆け足でマンションの入口に向かいました。
入口は道路から階段を少し上って道路に面して裏側にあります。
向こうの黒い車から人が下りてくるのが見えました。
まさに荒野でトラに狙いを定められた気分です!
駆け足で入口に辿り着くと、銀色の丸いボタンが縦に並ぶ暗証番号式の鍵を焦りつつも押して中に入り、玄関の鍵を開けて急ぎ部屋の中に入っていきます。
とりあえずは一安心でした。
ここで個人的には良くないと思う行動を青年がとります。 それはすぐに部屋の電気をつけるという事です。
男たちはマンションの入口まで追っては来ませんでしたが、もし外で見張っていたら、どこの部屋か予想されてしまいます。
それに気付いた誰かが「電気を消して!」と言ってわずかな明かりのなか、道路に面したベランダ側にあるキッチンに全員集合して様子を伺っていました。
依然として緊張感は保ったままです。
こっそりとベランダに出て外を見ますが木々が邪魔をしてか、怪しい人影は見えません。
玄関かベランダから襲われるかもしれないという不安感は拭えません。
そこで青年がキッチンからナイフを2本取り出すと、兵役経験のある彼は両手のナイフで相手を制する技を見せてくれます。
やはりこういう時に特殊な経験を積んだ人間の対応力は違います。
私もスイス製の小さなアーミーナイフをバックパックから取り出して、万が一に備え脳内シミュレーションをしましたが、折り畳み式ナイフでは己の指を切る危険があり、役に立たないという結論になります。
しかしながら一矢は報いるかと手に持ち続けました。
1時間はグダグダとしていたでしょうか、個人的には警察に電話しようよ、とずっと思っていましたが、彼らからすれば異国の地で警察の厄介になるのは避けたかったのだと思います。
しかし、いつ襲撃されるかもしれないこの不安な状況を打破するべく、警察に電話しよう!となってくれたのですが、誰もが現地の人間ではないので警察の番号を知りません。
それを調べて、ようやく助けを求めます。
しばらくするとベランダ越しに赤と青の明かりが交互に差し込んできました。
1台2台、3台と次から次へと多くの警察車両が到着すると、「Hiro(私)はここで待っていろ」とそう言って兄が代表して派手なハロウィンのメイクをしたまま、事の説明をするために外に出ていきます。
私はこっそりとベランダからそれを眺めていました。
予想以上に大事になってしまいましたが、なんだかんだでパトカーの赤と青のパトランプを見ると安心します。
そして早朝にようやく長い一日を終えてベッドに入ることが出来ました。
【後日談】結局は被害妄想だったのかも
翌日は兄が改めて昨夜の状況を説明するために警察署に行きました。
本当かどうかはわかりませんが通報したときに「マシンガンを持った男たちに追いかけられた!」と言ったそうです。
でもすごい数の警官と警察車両が来たので冗談とも思えませんが。
結局、黒い車のナンバーもわからずで、妹にちょっかいを出した男たちと関係があるのかどうかもわかりませんでした。
私が去ったあとの彼らが心配でしたが、再び事件が起きることはなかったようで、そこは不幸中の幸いだと思います。
【対策と注意点】深夜の街とパーティに気をつけよう!
- パーティやクラブなどお酒が入るとそれだけでトラブルが発生する確率は高まります。場所を選んだり、飲む量などにも気を付けましょう。
- 時間が遅くなるにつれて、帰り道に襲われるなどリスクも高くなります。
- 貴重品は盗難などの危険もあり、最低限のほうがいいかもしれません。
- 怪しい人につけられていると感じたら、すぐ宿に戻りましょう。また誰かに助けを求められるように心構えをしましょう。
- 人通りの多い道を歩いたり明るいところを選んで通りましょう。
さいごに
海外のバーやパブなどは雰囲気もあって、飲むお酒も楽しいものです。
しかしどこにトラブルが潜んでいるかはわかりません。 どうか海外で素敵な時間を過ごせるように、お気を付けください。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。